








欧文書体
欧文書体?その背景と使い方
最近デザイン本(?)で読みたくなるようなモノがないなあと思っていたら、出ました。
著者の小林章さんという方、僕が初めてその名前を知ったのは数年前なのだが、実にモノスゴイ人なのである。
当時BodoniやDidotのようなモダンローマン体に入れ込んでいた僕は、「あんまり人の使ってないモダンローマン体はないかなあ」と思いつつフォントスタイルブック2000なんぞをペラペラやっていたところ、「Acanthus」という書体を見つけた。ルーツを知りたくてFONTFONTのサイトに行き、Designerを見ると「Akira Kobayashi 」とある。
「日本人なのか!」と驚愕した。
激しく興味を抱いてWebをフラフラしているうちに嘉瑞工房のサイトにたどり着き、そこで見つけたこのページ。
「うわあ、この人ドイツに渡ってライノタイプに勤めてるよ……。しかもヘルマン・ツァップとメシ食ったとか書いてあるよ。ひえー」。
詳しくは上記のサイトに譲るとして、その後もあちらこちらで執筆されているのは目にしていたが、まとめて一冊の本として刊行されるのは初めてなのではなかろうか。
とにかく平易で分かりやすく、そして丁寧に書かれた本。軽くざっと読んだだけでも参考になる部分がたくさんあって読みごたえ充分。
ニューヨークでTDC(Type Directors Club)の審査員をされた時のエピソードに
日本からの応募らしい作品の多くが、ビジュアルや印刷や紙にも凝っているのに肝心のメッセージを伝える文字組版が「素人レベル」と判断されて落とされるのを見てきたので、その直後から始まった『デザインの現場』の連載で欧文の基本ルールを書きました。素人臭さは瞬時に伝わるぞ、という警告の気持ちを込めて。
と書かれており、さもありなん、というカンジ。
これから日本の市場が狭まってくれば必然的に日本のデザイナーも海外へ出ていく事になる。
今まである意味、国内デザイナーの職域を守る役割を果たしてきた文化の壁が、今度は乗り越えるべき巨大な障壁として立ちはだかるわけだ。学ぶべき事は多い。
以前、オックスフォード組版原則なんかは一応、目を通したのだけれども個人的にはあまり役には立たなかった(どちらかと言えばライター向け?)印象だったので、ようやくビジュアルを出発点に欧文組版ルールを教えてくれる本が出てきた事はありがたい限り。
ちょうど英文の印刷物の仕事が進行中だったので急いでチェックしないと……。

